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大阪の注文住宅、高性能×インテリア、リーフアーキテクチャの猪倉です。
毎日報道されているコロナの第3波。
今までとは少し様相が違うようでご不安な方も多いのではないでしょうか。
コロナの話題になると必ず出てくるのが「換気」
店舗や電車内でも窓を開け放して空気を入れ替えている光景を良く見ます。
また、北海道で感染が拡大している現状を踏まえて
高気密高断熱住宅が多いから感染者が多いという報道も。
本当なのでしょうか。
今、気密と換気に関心が集まっているときに住宅における気密と換気の考え方を描いてみたいと思います。
ちなみに、住宅の換気設備は大きく分けて
があります。
(詳しくはこちらの上のブログをご覧ください)
高気密高断熱住宅であれば少なくとも第3種局所換気、できれば第1種ダクト換気がおすすめです。
いまだに
高気密住宅は息が詰まる
とか
気密を良くしすぎると換気できなくなる
などの間違った意見が散見されます。
そもそも気密はなぜ必要なのでしょうか。
その前に換気について考えていましょう。
この上部の絵のように換気がなされず密閉された空間では汚れた空気は新鮮な空気と入れ替わらず、室内に滞留し続けます。
そこで、下の図のように、給気口(左側)と排気口(右側)を設け、排気口から汚れた空気を排出し、給気口から新鮮な空気を取り入れます。
建築基準法では2時間に1回、家のすべての空気が入れ替わるように換気計算することが義務付けられています。
第3種の局所換気は排気口にパイプファンを取付それを動かすことで室内の気圧を負圧にし、給気口(穴が開いただけの状態)から外部の新鮮空気が自然と流入してきます。
基準法では24時間パイプファンを動かさないといけないのですが、電気代がもったいないとか寒いとかの理由でスイッチを切っている場合も多く、この場合は24時間換気は全く機能しません、
第3種ダクト換気では排気口を各部屋に設けダクトで一か所に集めて排出します。局所換気に比べるとより確実に排気がなされますが、吸気のシステムは同じなので、冬場寒い時に占めてしまいがち。
第1種ダクト換気(熱交換式)では排気も吸気もダクトで各部屋に配置し、しかも排気の熱を吸気側に映すことで給気口から冷たい風が入ってくることはありません。熱ロスも少なく一番優れた換気方法になります。
さて、ところで上の図や先に述べたようような理屈は大変大事な前提に基づいています。
それは
給気口と排気口以外に隙間が一切ない
ということなのです。
家の隙間を示す数値にC値というものがありますが理論値としてC値=0を前提としています。
つまり
換気を機能させるには気密性能が高くなければならない
ということなのです。
これが、住宅に気密性が求められている最大の理由です。
気密性能が高い(C値が1未満)の住宅の場合の換気を現したのが上の図です。
給気口と排気口以外に隙間がほとんどないため、室内の汚れた空気はスムーズに屋外に排出され、給気口からは屋外の新鮮な空気が入ってきます。
それでは気密性能が悪いとどうなるのでしょうか
それを現したのが↓の図です。
図のように家に隙間が多いと、排気口から排出する空気が近くの隙間から侵入したものに限られてしまいます。
そうすると、排気口から遠いところにある汚れた空気は排出されず、室内に滞留してしまいます。いくら24時間換気装置を運転していてもこれでは全く換気の用をなさないことがわかりますね。
こういう住宅であれば、まだ窓を開け放しておくほうが換気できるかもしれません。しかし、雨の日や夜、寒い時期などはなかなか大変ですね。
今度は家の断面を考えてみましょう。
下の図になります。
冬場、エアコンなどで空気を温めると暖かい空気は上へ上へと昇っていきます。
もし、屋根付近に隙間があればそこからどんどんと暖かい空気が逃げていきます。
逃げた分を補うために今度は1階の床と壁の隙間から冷たい空気が入ってきます。
これではいくら室内を温めても無駄が多くなるばかり。
家の上部と下部での温度差も生じてしまいます。
また、2階の冷たい空気は登って行った暖かい空気と入れ替わるように階下へ降りてきます。
リビング階段や吹き抜けがある場合、どんどん冷たい空気が下りてくるのでその付近にいる人は寒くてたまらなくなります。
何とかしようとカーテンやロールスクリーンで遮っても、降りてくる力はすごいもので、揺れるほどです。
よく
「リビング階段や吹き抜けは冷気が下りてくるから造らないほうが良い」
という話をインターネットで見ますが、それはとりもなおさずそのお家の気密性のが悪いことの証なのです。
高気密で作られているお家ではこのような寒暖差による空気の移動はなく、家全体がほとんど同じ温度を維持することができます。
ということで、
気密性能が悪いと計画通りの換気ができないことがお判りになられたかと思います。
また部屋の上下で温度差が生じれば暖房自体も効かなくなり、燃費が悪化することもお判りいただいたのではないでしょうか。
計画通りの換気性能を発揮し、上下間の熱の移動をなくすには少なくともC値は1未満。
出来れば0.3未満が望ましいといえます。
このC値は家の施工精度に影響されますので、家一軒一軒異なってきます。
すべての工事物件で工事中に気密測定を行い、その家のC値を把握することが大切です。
工務店をお選びいただく際は、この「気密測定をすべての物件で実施してるか」も大切な決め手です。
ぜひ、ご参考になされてください。
このようなお話をはじめ、初めての家づくりを前に、どういう基準で住宅会社を選ぶべきかという勉強会を毎月行っております。
次回は12月20日(日)大阪南港ATCで開催いたします。
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