air-conditioning-and-ventilation
1級建築士で宅建士のリーフアーキテクチャ代表、猪倉(いくら)です。
いや~今年の夏も暑かったですね。
9月半ばを過ぎた今でも信じられないくらいの暑さです。
このような暑い夏、エアコンがないと生活が難しいと感じることはありませんか?
エアコンをうまく使いこなすには、建物自体の断熱と空調計画がとても大事です。
今回は、モデルハウスで実際に測定した結果をもとに、エアコンの能力を最大限に発揮できる快適な家づくりのコツをご紹介します。
これから大阪で注文住宅を建てようと考えている方は、この記事を参考に、エアコンをうまく使いながら快適な暮らしを手に入れましょう!
上の写真は気象庁による大阪府堺市の過去(1976年~2024年)の気象データーから8月の1位~10位を抽出したものです。
これによりますと、8月の日の最高気温は1位から10位まで全て38℃以上。
また、日の平均気温の高い方を見ると同じく全て29℃以上となっています。
このように、大阪は夏になると非常に暑く、気温が30度を超える日が続き、夜も熱帯夜が頻繁に訪れます。
そんな気候の中、住宅の断熱性能がしっかりしていないと、室内の温度がすぐに上昇し、エアコンなしでは過ごせません。
断熱性能というと冬の寒さに対するものというイメージがありますが、大阪のようなに高温多湿な環境では夏の対策が非常に重要です。
夏の暑さをしのげるしっかりとした室内の断熱性能があってこそ、快適な暮らしを実現する鍵となります。
大阪で注文住宅を建てる際には、断熱性能にこだわることが重要なのです。
断熱性能の高い注文住宅は、室内の温度変化を抑えるため、大阪の暑い日でも少ない負荷で室温を安定させやすいのが特徴です。
30坪(約60帖)程度の住宅なら家庭用の6帖~12帖用エアコン1台で温度湿度共に快適な環境を作ることができます。
その結果、エアコン自体の設置コストやトータルの電気代が減らせるため、大きなコスト削減につながります。
特に太陽光発電のある大阪の注文住宅では、昼間のエアコンの電気代が太陽光の自家消費で賄う事が出来るため、家計に大きなメリットをもたらします。
断熱性能に優れた家を建てることで、大阪での生活をより快適で、家計にも環境にも優しいものにできるのです。
今回は、リーフアーキテクチャが持つ、大阪狭山市のくみのきモデルハウスで、断熱性能の実測を行いました。
最初は数日間エアコンをかけていない状態から急速に冷房を掛けた状態。
2番目が室温が最適な状態になるようにエアコンを連続運転した時。3番目にエアコンを止めてどれぐらいの速度で室温が上昇していくかの変化を見てみました。
ちなみに使用しているエアコンは
1階の床下エアコン ダイキン S363ATES-W(3.6KW 12帖用 100V)
2階のホールエアコン ダイキン S363ATCS-W(3.6KW 12帖用 100V)
モデルハウスの断熱性能Ua値0.30(断熱等級6)、気密性能はC値0.4となります。
下図(グラフ②)の①の区間がエアコンの運転を数日間止めてから急速に冷房をかけて行った時です。
8月6日12時の時点で外気温が35℃。室温は2階の寝室が32℃。1階の玄関とリビングが30℃の状態。
ここから1階の床下エアコンと2階のホールエアコンを18℃設定で冷房運転。床下に置いている第1種熱交換換気の澄家の風量は中レベルの3にしました。
その結果、翌日8月7日12時の時点で2階の室温が23℃、1階の室温が23度ぐらいになっています。
この時の外気の最高気温は40度越え。このような猛暑日でもエアコンを強運転すればかなり室温を低下させることができました。
また、快適性の目安となる絶対湿度(グラフ3)も9G/㎥。12g/㎥までくればかなりさらりとした気持ちよい体感なので、かなり快適な温湿度になっています。
下図(グラフ②)の②の区間では2階ホールエアコンのみの運転。設定温度は24℃の自動運転設定。澄家の風量は中レベルの3にしました。
設定後、12時間たった8月7日23時の時点で1階、2階とも23℃あたりで安定。その後、エアコンの設定を変える8月9日15時までほぼ上下することなく安定して室温23℃を保っています。
この時の外気の最高気温は43℃。このような環境でも、2階のエアコン1台で延べ床面積27.5坪のモデルハウス全体を快適な温湿度環境に保てていることが分かります。
絶対湿度(グラフ3)も11~12g/㎥とかなり快適なサラリとした空気感となってます。
次に、エアコンをすべて停止した後の室温変化を測定してみました。上図(グラフ②)の⓷の区間になります。
停止後、緩やかに室温が上昇していきますが、6日間ぐらいを経過したところで1階が29℃、2階が32度ぐらいで上昇がストップ。絶対湿度は外部並みの20g/㎥でストップしていました。
室温変化をよく見るとエアコンを止めてから24時間後だと1階2階とも室温26℃程度。エアコンなしでもなんとか過ごせそうな環境です。
これは、外からの熱をしっかり遮断できる高い断熱性能を持つ注文住宅の特徴です。大阪の気候でも、断熱材や窓の性能が優れていれば、外気の影響を受けにくく、室内の温度を保つことが可能です。
断熱性能が高い家のメリットは、何と言っても快適さです。夏の暑い日でもエアコン1台でで快適に過ごせますし、冬は暖房効率が良くなり、大阪での注文住宅における季節を問わない快適な暮らしが実現します。断熱性能の高い家は、電気代の節約にもつながるため、大阪での長期的な生活コストの削減に役立ちます。
さらに大切な要素が空調計画です。実はせっかく高断熱高気密住宅を建てたのに思ったより快適でない、特に夏場にエアコンを運転してもサーモオフしてしまい、湿気が高止まりしてしまうという事があります。これは断熱こそできているものの、それを生かす空調計画が出来ていないことが原因です。
空調計画は換気やエアコンで適切な温湿度に調整された空気をどう運んでいくかプラン段階で行う計画です。今回のくみのきモデルハウスの空調計画は下図のようなイメージになっています。
空気の流れをあらかじめ読み、適切な位置にエアコンを配置し、またエアコンから出ていく空気、エアコンに戻る空気(リターン)を計画してこそ、はじめて高断熱高気密の性能を生かす快適な環境が実現します。
断熱性能を高めるためには、断熱材の選び方が重要です。大阪で注文住宅を建てる際に使用される一般的な断熱材には、「グラスウール」「発泡ウレタン」「セルロースファイバー」などがあります。
グラスウールはコストパフォーマンスが高く、発泡ウレタンは高い断熱性能と気密性が特徴です。セルロースファイバーは自然素材で環境に優しく、吸湿性があるため、大阪の湿気対策にも効果的です。
いずれの断熱材にしても、材料ごとに透湿抵抗が異なるため、冬の内部結露、夏の逆転結露が起きないようにするために結露計算をすることが大切です。その結果、場合によっては防湿シートを貼ることが必要になる場合もあります。
断熱材自体に良い悪いはないのですが、計算に基づいて適切な仕様(断熱構成)を選び、現場において正しく施工されているかのチェックが大切です。
建築会社を選ぶ際にはそれらがきちんとなされているかも選ぶポイントです。
窓やドアからの熱の出入りも大きいため、断熱性の高いサッシ選びも欠かせません。大阪の注文住宅では、特に夏の暑さを遮断するために、樹脂サッシや複層ガラス、トリプルガラス、Low-Eガラスなどを採用するのがおすすめです。予算が許せば木製サッシの採用も検討されればよいでしょう。
これらの素材や構造により、断熱性能をさらに向上させ、家全体の快適さを高めることが可能です。但し、大阪の注文住宅においては多くの地域が準防火地域に属しているため、使えるサッシに制限が生じる場合があります。そんなときは防火仕様の樹脂アルミサッシに樹脂内窓を使うという合わせ技もコストと性能の双方を満たすことが出来ます。
断熱性能の高い注文住宅を建てるためには、工務店やハウスメーカーの技術力も重要です。大阪での実績や、実際にどんな断熱材を使っているのか、施工の丁寧さなどを確認することがポイントです。モデルハウスの見学や、過去の施工事例を見せてもらい、信頼できる工務店を選びましょう。
また、設計段階でいろんなシミュレーションソフトを使って断熱性能を把握しながら設計しているか、断熱構成が内部結露を起こさないような結露計算をしているかを確認することも大切です。
さらに、断熱性能をいくら高めても空調計画がなされていなければ快適な環境は実現しません。きちんと空調計画をしている会社は家の断熱性能の計算から冷房負荷、暖房負荷を計算し、必要なエアコンの容量と最適な機種を提案してくれます。
また空調計画は換気計画とも一体をなすので、空調換気合わせた提案を根拠に基づいてしてくれる会社を選ぶことが大切です。
断熱性能が高い家に住むと、季節を問わず快適な生活が待っています。特に大阪の注文住宅では、夏の暑さや冬の寒さに強い家が求められます。断熱性能が高く、空調計画のされている家なら、コストを抑えながら、夏は涼しく、冬は暖かく過ごすことができます。これが、大阪で注文住宅を建てる際に断熱性能と空調計画にこだわるべき理由です。
快適な室温を保てる注文住宅は、家族の健康にも良い影響を与えます。温度差が少なくなることでヒートショックのリスクを減らせますし、結露が発生しにくいため、カビやダニの発生も抑えられます。さらに、エアコンを効率的に使う事で省エネ効果も高まり、大阪での環境に優しい暮らしが実現できます。
大阪で人気の注文住宅の事例を見ると、断熱性能にこだわった家づくりが注目されています。デザイン性だけでなく、暮らしやすさやランニングコストを考慮した断熱性の高い住宅は、長く愛される住まいとして多くの人に支持されています。大阪の注文住宅で快適な暮らしを手に入れましょう。また、これからは断熱性能の数字だけでなくきちんとした空調計画がされているかがとても大切です。断熱だけで適切な空調計画がない家では快適な空間は実現しません。断熱と空調計画は合わせて考えるようにしましょう。
今回のモデルハウスの実測結果からも分かるように、断熱性能と空調計画は家の快適さを左右する重要な要素です。エアコンを効率的に使い、快適な温湿度環境を実現する家づくりは、家族の健康や家計にも優しい選択です。大阪で注文住宅を建てるなら、断熱性能と空調計画にしっかりとこだわりましょう。
家づくりの際は、断熱材の種類や窓・ドアの性能、工務店の施工技術、また空調計画の考え方、提案など細かいポイントを確認することが大切です。断熱性能の高い注文住宅を手に入れて、大阪での夏も冬も快適な暮らしを楽しみましょう!いかにチェックリストを用意しましたのでご参考にされてください。
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