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1級建築士で宅建士、リーフの猪倉です。
前回のブログ「家づくりの流れ|注文住宅の進め方 ステップ3.住宅会社の選び方」では、ハウスメーカーと工務店の違いや選ぶ際のポイントなどについてお話ししました。
今回は、「ステップ4・土地選び」です。
家づくりを考える際に「まずは土地から」と思われる方は多いです。建築会社選びの前に、不動産会社周りをされる方もいらっしゃいます。
確かに「どこに住むか」は大切な要素です。しかし具体的な土地を選定していくには「土地と建物をセットで考えていく」ことが重要です。
そのためには土地探しの前に建築会社を決めておき、建築を建てるプロの視点からのアドバイスをもらって土地選びをしていくのが大切です。
このブログではそのために準備をしておかないといけないことについてもお話ししていきます。
土地探しにはスピードが大切です。いざ、理想の土地が見つかったとしても、様々な準備をその後にしていたら、他の購入希望者に先を越されてしまいます。どのような準備が必要なのか確認しておきましょう。
冒頭にも述べたとおり、土地探しの前に建築会社が決定しており、そこの担当者と一緒に土地探しをすることが大切です。土地には様々な法令上の制限があり、自分が希望していた建物が建てられないことがあります。土地を紹介していくれる不動産業者は土地に関してはプロですが、建築に関しての知識ま余りありません。不動産会社の営業マンに進められて土地を買ったものの、思った通りの家が建てられない、追加の造成工事、インフラ整備工事などに費用が掛かり、建築予算が少なくなってしまった、などのトラブルが起こることがあります。これらを避けるために、土地を探すときは建築のプロからの亜ドバイスも求めるようにしましょう。
家づくりには様々な種類の費用が必要です。「ステップ2 資金計画」でお話ししたようにそれらの費用を事前にしっかりと押えて、「土地にいくらまでなら予算を掛けられるか」を決めてから土地探しをしましょう。また、理想の土地が事前に計画していた予算よりオーバーすることもあります。そんなときに「ここまでならオーバーを許容する」範囲も決めておくといいでしょう。
資金計画が定まった段階で土地探しの前に住宅ローンの事前審査をしておくことも大切です。不動産業者によっては事前審査が住んでいないと土地の買付申込自体を受け付けてくれないところもあります。最近は事前審査もWEB上で簡単に行えるようにもなっています。注意点は事前審査の有効期限の多くは6か月という事。これをすぎると事前審査が無効になり、再度行うことが必要です。「いい土地が見つかったら申し込む」というタイミングになってから事前審査を受けるようにしましょう。
土地の希望条件をあらかじめ決めておくことも大切です。駅から遠くても周辺環境が良いところがいい、とか、多少狭くても駅から徒歩圏内の方がいい、など、条件によって土地を探すエリアが大きく変わってきます。いくつかある条件の優先順位を決めておきましょう。特にご夫婦間で希望条件の優先順位に相違がある場合は、いざ、物件が見つかってもなかなか決めきれないことがあります。事前に意見のすり合わせを行っておきましょう。希望条件の種類には次のようなものがあります。
これらの条件に対し、それぞれ
をつけて、一覧表にまとめておくと便利です。
次に、土地選びのポイントを考えましょう。
通勤通学の利便性や周辺の生活環境を確認します。お昼だけでなく、夜にも視察に行くと、街灯の状況で普段使う道の防犯性などもわかります。
土地には都市計画法で定められた用途地域があり、それぞれの地域によって建てられる建物の種類、建蔽率、容積率が異なります。制限の厳しいところでは隣地境界からの距離や建物の高さにも様々な制限があります。また防火上の観点からは22条指定地域、準防火地域、防火地域などがあり仕様する建材、構造に大きな制約が出てきます。土地の選ぶ際にはパートナーの建築会社にこれらを調べてもらい、自分の建てたい建物が建築可能なのか、また可能だとしても余分な費用が必要になるのかなどを確認しておくことが大切です。
土地の地盤状況も事前に調べておきましょう。正確には土地を購入してから地盤調査をしないとわかりませんが、事前に調べることも可能です。各自治体が発行しているハザードマップには液状化が想定される地図もありますので事前に入手しておきましょう。また「地盤マップ」で検索すると、様々な会社が発行している地盤状況の地図を見ることができます。古い航空写真などでは現在整地されている宅地が以前の池を埋め立てたものだとかの情報が分かります。
日当たりと風通しは建築を計画する上でも大切な要素です。周辺に建物が建て込んでいる場合には太陽の軌跡をしらべるアプリなどを利用すれば敷地にどの程度の影が出来るかを判断できます。また、地域特有の風の吹き方(卓越風・)は気象庁や一般財団法人建築環境・省エネルギー機構(IBEC)自立循環型住宅のホームページなどでも調べることができます。
住宅には上下水道やガス電気といったライフライン(インフラ)が必要です。以前に住宅が建っていたところではそれらが引き込まれている場合が多いですが、そうでない場合(田畑とかずっと空き地で駐車場として使ってた)などだと引込が無い場合があります。前面道路まで上下水道、ガス電気が来ている場合、道路を掘削してそれらを引き込む費用が発生します。また前面道路に引込が無く、離れた場所にある場合はそこからの敷設が必要となり、費用も莫大なものとなります。注意しないといけないのは不動産購入時の重要事項説明に「上下水道ガス電気 有」と書かれていても、それは前面の道路まで来ていて敷地内までは引き込まれていない場合でも、有りと記載してよいことが宅建業法で認められているという事。また仮に敷地内まで引込があったとしても配管が古かったり小口径だったりすると入替が発生します。下水枡なども、古いものだと鉄製のものだったりするので新しい塩ビ製のものに取り換える必要があります。これらを判断するにはパートナーの建築会社さんにも見てもらい、実際に家を建てて住むためにどれくらいのインフラ整備の費用が必要かを見てもらいましょう。
道路と敷地間、隣地間に出来るだけ高低差の無い土地を選びましょう。高低差がある場合は擁壁を造る費用が発生します。状況によっては建物の基礎を一部高くすることで処理できますが、これも費用が発生します。また、多くの自治体では崖や擁壁のある土地に家を建てる場合はその配置に制限を設けている(安息角など)が多いです。場合によっては希望の面積のや高さの家が建てられないこともあります。これを判断するのもプロの建築会社の方に見て頂く必要があります。ボックスガレージがある場合、その上に家を載せる事は難しく、こちらも家の配置計画に影響します。
前の章でも述べたように、土地によって建物以外にかかるコストが変わってきます。土地情報を入手したらすみやかにパートナーの建築会社に連絡してどれくらいのコストがかかるか見てもらいましょう。
自分の希望したプランの形状や大きさが、候補に挙げた土地に収まるかどうかは面積だけでなく、目には見えない様々な法規制によって変わってきます。チェックを怠って土地を購入すると、自分の希望通りの家が建てられないことも。こちらも早めに建築会社に判断してもらいましょう。
建築会社と土地情報を共有し土地建物以外の工事費用を把握しておくことは全体の資金計画を建てる際にも大切なことです。土地決定の前にコストを把握しておきましょう。
いい土地は迷っている間に売れてしまうことも。
とはいえ、焦りすぎも禁物。だからこそ事前の準備と連携が大切です。
信頼できる建築会社を選び、土地探しのパートナーとなってもらいましょう。
そして
・資金的に問題がないこと
・希望する建物が建つこと
・土地条件が希望する条件を満たしていること
を確認したうえで購入の決断をしましょう。
次の行動は買付申込です。
購入の意思表示はまず買付申込書を売主(もしくは仲介業者)に送ることからはじまります。買付申込書に記載する内容は次の通り。
基本的に買付申込書の先着順で購入の権利を得ることができます。ただし、売主(仲介業者)によっては事前審査が終わっていないと買付申込書の受付をしてくれないところもあります。フラット35の場合だと、事前審査だけでなく、本審査の通過が無いと受けつかしてくれないところも。これは相手によってかなり異なりますので事前にしっかりと確認しておきましょう。また、これらのことからも、土地探しを本格的に行う前に事前審査を済ませておくことが大切です。
いよいよ土地契約です。契約前には重要事項説明書が交付されますので内容をよく読んで確認しておきましょう。業者によっては契約当日に読み合わせるときにはじめて見せるところもあるので、事前に見せてもらい、内容を確認しておくことが大切です。
土地契約時には手付金の支払いが必要です。この手付金はもし、自分たちの都合で解約した場合は返還されません。逆に相手の都合で解約になるときは手付金と共に同額のキャンセル料を得ることができます。(手付倍返し)契約時にはローン特約といって、万が一、住宅ローン御の本審査に通らなければ契約を解約し、手付金も返還するという特約を付けるのが一般的です。この特約には期日が設定されますので、それまでに住宅ローンの本審査を済ませて審査を済ませてローン承認を得ておくことが必要です。
無事契約が終わり、ローンの承認も終わるといよいよ土地の引き渡し(決済)を受けます。土地代金を住宅ローンで賄う場合は、事前にローン会社に土地代金の金消契約が必要です。また土地代金の融資には、土地部分先行融資と土地部分つなぎ融資の2種類があり、金利や手数料の額、支払要件などが異なります。どちらかはローン会社によって異なりますのでローン会社を選ぶ際に確認しておきましょう。
土地決済当日は土地代金が振り込まれ、固定資産税の清算などを行い、司法書士に土地の登記をしてもらいます。従来は関係者が全員、銀行に集合して半日かけて手続するのが一般的でしたが、最近では銀行によっては事前に必要書類を整えておこう事で当日は銀行に出向くことのない「非対面決済」をしているところも増えてきました。平日に休みにくい方には大変便利な制度です。こちらもローン会社を選ぶときに確認しておきましょう。
土地選びは、家づくりの成功に直結する重要なステップです。事前の準備と建築会社との連携を大切にし、理想の住まいを実現するための第一歩を踏み出しましょう。
さあ、これで家づくりの流れのステップ4である「土地探し」ができました。
次のステップ5「設計」へ進む準備をしましょう!
【注文住宅の進め方 思い立ってから完成まで】
【注文住宅の進め方 ①情報収集】
【注文住宅の進め方 ②資金計画】
【注文住宅の進め方 ③住宅会社の選び方】
【注文住宅の進め方 ④土地選び】←本記事
【注文住宅の進め方 ⑤設計】
【注文住宅の進め方 ⑥契約・着工準備】
【注文住宅の進め方 ⑦着工・上棟】
【注文住宅の進め方 ⑧完成・引渡】
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