伊丹の家構造見学会

kengaku

見学会

伊丹の家　構造見学会

開催日／2026年1月17日（土）・18日（日）

現在、兵庫県伊丹市で建設中の「伊丹の家」。

この度、お施主様のご協力を頂きまして、構造見学会を開催させていただくことになりました。

お客様との出会い

「伊丹の家」のお施主様、K様とお会いしたのは昨年の9月。弊社が大阪狭山市に建てた「くみのきモデルハウス」の見学に来られた時でした。

この「くみのきモデルハウス」は建設価格や土地価格が高騰する中で建設工事費を抑えるためにコンパクトだけど暮らしの豊かさをかなえることができる家をという事で、丹精込めて作ったプロトタイプ。

リーフの特徴である、オリジナルの家具キッチンやインテリアにこだわったモデルハウスでした。

高気密高断熱や耐震性能はあたりまえの備えたうえで、生活を楽しむように作ったこのモデルハウスを大変気にいていただき10月には、弊社へ家づくりのご依頼を頂きました。

土地探し

その後、K様と共に土地探しへ。伊丹市を中心に当方でも候補土地をピックアップして現場へご案内。
何度かご一緒するもなかなか良い土地に巡り合わなかったとき、K様が見つけてこられた土地を確認へ。
土地の面積は、ご見学いただいた「くみのきモデルハウス」とほぼ同じ広さの100㎡。
第1種低層住居専用地域と第1種高度地区という、かなり建築制限の厳しいところですが設計次第で解決できると、土地をお申込。
年が明けて今年の1月には土地の契約に至りました。

設計から確認申請まで

2月に土地の引き渡しを受けてから本格的な設計に着手。
同時にこのころ、今年度の「子育てグリーン住宅支援事業」の補助金に「GX志向型住宅」のカテゴリーができることが分かったので、その要件を満たせるように設計を進め、確認申請と長期優良住宅の申請を行っていました。
ここで発覚したのが確認審査機関での審査業務の大幅な遅れ。
2025年4月の建築基準法改正により、確認審査機関の審査業務量が大幅に増え通常でしたら2か月もあれば確認申請、長期優良住宅申請が認可されていたのにまったくめどが立たない状態に。
「いつ頃になるか聞いてもわかりませんとの返答しか返ってきません。当初6月末ごろの着工を見込んでいたのに7月、8月になっても一向にめどが立たず。その間に、もともと補助額が限られていた「GX志向型住宅」の補助金は申し込みが予定額に達したという事で打ち切られてしまいます。
そこで、補助金の要件を「長期優良住宅」に変更して準備を開始。
こちらは予算上限に達するまでに予約もすますことができ、遅れに遅れた11月初旬、ようやく着工することができました。

構造見学会の見どころ

「伊丹の家」の見どころは高性能コンパクトなインテリアを楽しむ都市型住宅です。
今回の構造見学会での見どころはそのなかでも特に高性能の秘密についてです。
家具キッチンなどのインテリアは完成してからの見学会でお見せできますが、一方で完成してしまうと見えないものああります。
それが「どのように高性能住宅ができあがっているのか」という部分です。
「伊丹の家」の性能スペックは以下の通り。

敷地面積　100.17㎡（30.30坪）
建築面積　50.04㎡（15.13坪）
延床面積　94.43㎡（28.56坪）
断熱性能　断熱等級6（Ua値0.30W/㎡K）
気密性能　C値0.5c㎡/㎡（実測予定）
耐震性能　耐震等級3（許容応力度計算）

断熱性能

「伊丹の家」の断熱性能はUa値0.30w・㎡K。
2030年に義務化される予定の断熱等級6（Ua値0.46以下）を上回り、最高等級の断熱等級7（Ua値0，26以下）に迫る性能を持っています。
これを実現するのがリーフオリジナルの断熱構成。
外壁においては高性能グラスウールを充填したのち、さらに外側に付加断熱としてグラスウールボードを使用。
また最近の夏の猛暑に対抗すべく、屋根断熱材として吹込みグラスウールを280㎜充填し、最近の夏の猛暑にも対応しています。
構造見学会では、完成したら見えなくなるこの断熱施工の様子をご確認いただけます。

気密性能

いくら断熱性能を高めても隙間だらけのお家だとその効果が発揮されません。
隙間があるとせっかく温めた空気が移動し、外部から冷たい空気が侵入してとても居心地の悪い室内になってしまいます。
昔建てられたお家で「階段や吹抜から冷たい冷気が下りてくる」というのは家のどこかにある隙間が悪さをしているから。
気密性能を確保するための気密施工にはいろいろなポイントがあり、例えば配管の貫通部に気密保持のシートを使うのもその一つ。
様々な工夫によって確保できる気密性能のポイントをご覧いただくことができます。

耐震性能

「わが社ではヒノキの4寸柱をつかってるから」とか「わが社は○○工法を使用してるから」とか、耐震性を表すセールストークは沢山あふれ得ちます。
しかし大切なのは1棟1棟、構造計算をしているかという事。
リーフでは全棟、許容応力度計算を実施し、耐震等級3を確保。
また、初期の計画段階から構造区画を意識した構造計画を行い、耐震等級3を確保しながらより低コストで済むような設計上の工夫を行います。

長期優良住宅

欧米に比べてわが国では住宅の資産価値が非常に低いことが知られています。
これは戦後の住宅政策が質の充足よりも数の充足を優先させてきたことに原因があります。
結果、多額の住宅ローンを抱え、ようやく返済完了する頃には家の価格がゼロに近くなり、土地の評価しか受けることができない状態。
また、親の住んでいた住宅をリノベーションして子世代が引き継ごうと思っても、耐震性や断熱性、気密性など基本的な性能が伴っていないため、建て替えよりも多額の費用が掛かってしまいます。
また2025年4月の建築基準法法改正により大規模リノベーションに確認申請が必須となり、ますます性能の伴わない中古住宅の再利用のハードルは上がってしまいます。
このような悪循環を断ち切るために長期優良住宅という制度があります。
名の通り、「長期使用構造」を有している住宅に対して行政が認定を与える制度で、その認定基準も導入当初と比べるとかなり厳しいものとなってきました。
リーフでは全棟このチョキ優良住宅の認定を取得し、将来にわたる住宅の資産価値の保全を実現しています。
構造見学会ではその基準についてもご説明させていただきます。

第3者監査

いくら設計段階で高性能な住宅を構想していても、ちゃんと図面通りに建てられているかは別。
実は、確認申請や、瑕疵担保保険の現場検査は３～4回と少なく、あらかじめ定められた施工基準通りに施工されているかの保障にはなりえないという現実があります。
リーフでは民間の第3者監査会社と契約し、基礎工事から完成に至るまで、10段階にわたる監査を実施。
是正項目がある場合はその修正までを写真記録に残して施工品質の確保に努めています。
構造見学会ではこの第3者監査のもとになる施工基準書やチェックリスト、施工報告書などもご覧いただけます。