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1級建築士で宅建士、リーフアーキテクチャの猪倉です。
「暑いですねー」があいさつ代わりになった今年の夏。
猛暑日どころか、気温40度が現実に身近にも起きそうな勢いです。
こんな暑さだからこそ!というわけではないのですが、この数日、くみのきモデルハウスでエアコンの能力実証実験を行ってます。
なぜかと言いますと、リーフアーキテクチャでは家庭用エアコンを使った全館空調をご提案することが多いのですが、「エアコン1台で快適に過ごせますよ」とお話ししても
「そんなん嘘やろ~」とか
「そんなわけないでしょ~」とか
なかなか信じていただけない場合が多いのです。。。
そこで、今回、Switchbotの温湿度デバイスを、屋外、1階玄関、1階リビング、2階寝室に配置し
家庭用エアコンでの全館空調の実力を測定してみることにしました。
合わせて、どのような使い方が一番効率がいいかも探っていました。
今日はその一部をご紹介したいと思います。
改めてくみのきモデルハウスのスペックを。
断熱性能を示すUa値が0.32、気密性能を示すC値が0.4という高断熱高気密住宅になります。
温熱シミュレーションのQpexを使った計算結果がこちら
Q1住宅レベル1ということで、2025年に義務化される省エネ基準より6割以上消費エネルギーを削減した省エネ住宅です。
エアコンは1階のリビングに床下エアコン(実際は床面より少し上げて設置してます)。
2階の廊下にホールエアコンを設置。
ともに3.6kwのいわゆる12帖用エアコンです。
最初はエアコンの最大能力を試してみました。
7月末から8月6日のお昼までモデルハウスのエアコンは全て停止。
8月6日午後1時時点では、室内各所の室温はおおむね30℃~31℃ぐらいいなってました。
そこで、床下エアコン、ホールエアコンとも、温度設定を18℃に、風量自動運転に設定し、24時間運転。
翌日、8月7日午後1時頃に行くと、玄関入った瞬間にひんやり通した感覚が。
実測すると。。。
何と室温は1階、2階とも20℃に。玄関土間も22℃まで下がっていました。
澄家のコントロールパネルを見ると、床下の温度も21℃に。
外気の35℃もある暑い空気がいきなり室内に入ってこずに、熱交換で21度まで冷やされてはいってきているのが分かりました。
最大能力が分かったところで、次は最適設定を探ります。
基本、夏の空調は2階のホールエアコンのみで賄う設計でしたので、1階の床下エアコンは停止、2階のホールエアコン設置温度24℃、風量自動運転にしてみました。
8月7日午後1時にその設定にして、24時間そのまま置き、8月8日の午後2時ごろに計測したデーターがこちら。
室内温度は玄関、リビング、寝室まで24℃前後に。
注目すべきは部屋間の温度差が、0.6℃以内に収まっていたこと。
前日の18℃設定の時よりも家中の温湿度環境に差がなくなっていました。
澄家のコントロールパネルを見ても、床下も24℃に。
床下から、1階、2階まで、見事に同じ温度が保たれていました。
2階の12畳用エアコン1台のみの運転でこの効果です。
もちろん外気温は猛暑日の35度越えです!
また、このモデルハウスには3.3kwの太陽光発電装置も搭載しており、その発電具合がこちら。
2階のエアコンと、熱交換換気装置(澄家)を連続運転していても、売電電力の方が上回っていました!
モデルハウスには人が住んでいないので、実際は家電の消費電力や、人体から発する熱量でもう少し消費電力が上がるかと思いますが、一応、この状態では12帖用エアコン1台で家全体を快適な温湿度に保つことができました。
今回の測定はSwitchbotを使って行いましたが、その結果を最近よく使っているchatGTPでグラフにしてみました。
3枚目の絶対湿度のグラフを見ると、エアコンを最大能力で2台とも運転した場合は、9g/㎥前後になってるのに対し、2階エアコンのみの運転では12g/㎥前後になっています。
体感的にはこの12g/㎥でも十分に快適なのと、部屋ごとの値の散らばりは18℃設定よりも24℃設定の方が少なくなっている点に注目です。
相対湿度や室温自体も24℃設定の方が部屋毎での差は少なくなってます。
これらのことから、冷房時のエアコン運転の目安は2階エアコンのみ、24℃設定、風量自動運転で家中、快適な温湿度になることが分かりました。
太陽光発電での売電もあるので、お昼間、運転しっぱなしでも電気代は怖くありません。
「エアコン1台で家中、快適に全館空調!」というと
「ほんと?」
「嘘やろ~」
と疑われる場合も多いのですが、これは是非、体感していただかないとわからない。
この猛暑が、逆に高断熱高気密住宅の威力を体感できるチャンスです。
本当かな?って思った方は是非、モデルハウスで快適な温湿度を体感しにお越しください!
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