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大阪の注文住宅、高性能×インテリア、リーフアーキテクチャの猪倉です。
再開した「家づくり基礎講座」の続編です。
前回は
についてお話させていただきました。
今日は「1.住宅会社はどう選ぶ その5 インテリア 」です。
これまでも何回かお話ししていますが、住宅を考える際の優先順位とはどんなものでしょうか。私は、まず住宅というものはそこで暮らす人のご家族の命と健康を守れるものでないといけない、と考えています。最近は住宅の高性能化も当たり前となり、断熱性能を示すUa値や気密性能を示すC値、また地震に対する強さを示す耐震等級を公表されるハウスメーカー、工務店さんも増えてきました。
大阪などの6地域でいえば
Ua値0.46(HEAT20のG2)、C値0.3、耐震等級3(許容応力度計算)
が一応の目安となるかと思います。
これぐらいの基準で住宅を造れば第1の目的である「ご家族の命と健康」を守ることができるでしょう。このような住宅を造ればその寿命も今の30年そこそこから60年、90年と飛躍的に伸び結果的に使用年あたりのコストは下がります。資産価値のある家となります。
しかしそれだけでは「良い住まい」とはなりません。住宅はその中で人が長い時間を過ごすもの。その室内空間が視覚的にも体験的にも快適なものにしてあげる。これがインテリアの役割です。
私が今の仕事に就いた当初の30年近く前にアメリカ西海岸にインテリア業界の視察に行ったことがありました。インテリアセンターと呼ばれる大きな建物の中にたくさんの家具、カーテン、カーペット、照明などのショールームが入居。グランドフロアにはインテリアコーディネート事務所があり、新築の方がお気に入りのコーディネーターと同伴でメーカーショールームを回りインテリアを選んでいました。
当時(今もあまり変わりませんが)の日本と違い、インテリアにかける予算の割合が全く違っていました。ちょうどそのころ、ミサワホーム創業者の三澤千代治さんの講演を聞いたことがあります。三澤さんはその時「欧米ではインテリアに掛ける予算は住宅建設費の30%ぐらいはある」と言われていました。2000万円の住宅だと、インテリアだけで600万円になるわけで、当時も今も日本の住宅の実情とはあまりに違います。私は、長年「どうして日本と欧米でそれだけの差があるのだろう」と疑問に感じていたのですが自ら建築で高性能住宅を手掛け始めてその理由に気が付いたのです。
それは住宅の長寿命化(資産価値のアップ)です。住宅が長持ちすれば基本的な構造や断熱性に手を加えるコストがなくなります。
30数年の住宅ローンが終わる頃には住宅も痛みがひどく、建て替えが必要となり、それを引き継ぐこの世代がまた30数年の住宅ローンを抱える。つねに生活費の中の住居費(住宅ローンの支払い)が重く、そもそもインテリアに予算を割けれない、というのが今の日本の住宅事情です。
しかし、例えば住宅寿命が倍になれば世代の負担する住居費は半額となり、かりに3世代持てば3分の1となります。そうなれば各世代は自分の好みのインテリアにお金をかけることができるのです。インテリアコーディネーターといった職業も、現在の住宅の仕上(いわゆる色決め)だけで終わるのではなく、顧客の要望をくみ取ったうえで家具、照明、カーテン、じゅうたん、ディスプレイまで含めた本来のコーディネートの仕事ができるようになると思います。
これから建てられていく住宅が高寿命化が進めば、建替えの件数は低減し、新築を主な業務にしているハウスメーカーや工務店は淘汰されることになるでしょう。しかし、その代わり、既存住宅の高性能改築やライフスタイル、世代交代に応じたインテリアの提案といった仕事は増えていくことになると思います。その時代には日本の住宅にも本当に上質なインテリアが普及し、もともと備えていた性能と相まって住宅の価値が上がるといいと思います。
現状ではまだまだインテリアコーディネーターに自宅のインテリアをお願いすることは少ないと思いますが、それでも可能な範囲で家づくりの最初の部分から「インテリア」も一緒に考えていくことが質の高い家づくりにつながることと思います。
それから家づくりを考えていければ素敵ですね。
近代建築史における著名な建築家「ル・コルビジェ」
彼は著書の中で「住宅は住むための機械である」と述べています。
まさに、性能、機能を重視される機械を住宅に例えたコルビジェは
「住宅=器」
という観念を持っていたと思われます。
しかし、彼はたくさんの建築作品とともに家具もたくさん制作しています。
コルビジェと同時代に活躍したミースファンデルローエ。
少し時代をさかのぼってフランクロイドライトやマッキントッシュなどもたくさんの家具をデザインしています。
これは建築家たちが家具(インテリア)を大変重視していたことの現れと考えています。「住むための機械」である住宅ですが、それだけでは人が住む空間にはならない。基本的な機能性能は器としての住宅で備えた上で、家具インテリアを充実させることにより、人がそこで憩える、ストレスフリーに暮らせる空間を実現することを、近代建築の巨匠たちは考えていたのです。
これから建てられていく住宅が高寿命化が進めば、建替えの件数は低減し、新築を主な業務にしているハウスメーカーや工務店は淘汰されることになるでしょう。しかし、その代わり、既存住宅の高性能改築やライフスタイル、世代交代に応じたインテリアの提案といった仕事は増えていくことになると思います。その時代には日本の住宅にも本当に上質なインテリアが普及し、もともと備えていた性能と相まって住宅の価値が上がることになるでしょう。
せっかくできた新居に「置く予定だった家具が入らない!」
そんなトラブルを防ぐために、プランニング、間取りを造る時には、置きたい家具、持っている家具、これから買う予定の家具をある程度決めて置き、設計士さんに伝えましょう。
きちんとした設計士、住宅会社なら、あなたが聞かなくても「家具リスト」を聞いてくれるはずです。(それもしてくれないようなところでは家づくりをするのはやめましょう)設計時におく予定の家具が決まっているということはまず第一にちゃんと使えるレイアウトを造るために必要不可欠です。レイアウトは大切な動線の設計にもつながります。
設計時に家具を決めておく理由はそれだけではありません。家づくりにおいて、住まい手がどういう暮らしをしたいかによって家具が変わり、住宅も変わります。
例えば持っていきたい家具が濃い茶系色のウォールナットなら、室内の床壁天井や照明、ドアなどの色決め仕様決めの際にそれとバランスの良いものを選ぶ必要があります。中間色のチェリーや明るいビーチ材などの場合もそれぞれに合うコーディネートが必要です。
また、塗り壁は室内の壁天井の仕上材として人気がありますが、置く家具がシンプルモダン系ならコテを抑えてフラットな面に仕上げる方が似合いますし、カントリー系ならコテむらをやや大きめに出したラフな仕上げの方が似合います。ドア、建具のデザイン、壁紙の柄色合いも同じです。
最近はキッチンもインテリア性の高いものが出ています。特に天然木キッチンだとまさにインテリアの一部となります。家づくりのなかでもインテリアの作り方はこれでないといけないという決まったものがあるわけではないのですが、ダイニングテーブルやチェア、キッチンはキッチンボードなど、置きたい家具、好きな家具が決まっている場合はそれに似合う仕様を考えていくといいですね。
家具は住宅に比べて比較的買い替えが効くものです。その時その時のライフ巣たるの変化に合わせて買い替えをすることもありますが、ひとつ、生涯にわたって使い続ける家具もあっていいものです。
私の家で使っているダイニングテーブルとチェアは結婚のときにそろえた天然木のオーク材のもの。天板の角は子供が小さい時に噛んだ歯形やいろんな傷があり、背が籐張のチェアは破れてボロボロでした。しかし、30年以上も使い続けると愛着がわいてきて買い替えることができません。先日、工場に持ち込んで研磨、塗装と籐の張替えをしてもらって新品同様になりました。
家族の思い出の詰まった家具は何物にも代えられない宝物です。是非、ご新築の機会に「この家具と一生付き合う」というものを選ばれることをお勧めします。そのためには多少価格も貼りますが、造りの良い家具は修理を繰り返しながら何十年と使い続けることができます。大量生産の安い家具を数年ごとに買い替えることを考えたら総額では逆に安くもなります。また、ご家庭で、子供さんと一緒に手入れをすることで物を大切にする心も伝えることができます。
こんな流れを私は「家具から始める家づくり」と呼んでいます。
リーフが大切にしたい思いです。家づくりの「家」とは物理的な建築物としての住宅だけではありません。そこで過ごすご家族全員の歴史であり思い出です。是非そんな視点で家づくりを考えていただいてはいかがでしょうか。
せっかく高性能な家を建てたとしてもインテリア次第でその家の印象はがらりと変わります。
建築物としての住宅とインテリアの関係は身体とファッションの関係に例えればわかりやすいかもしれません。
家族の命と健康を守る高性能な住宅は、鍛えられた身体。筋骨隆々で受難性もあり、血液サラサラで身体能力が高い状態です。
対して、家具インテリアは、その人が身に付ける服装、ファッションです。
服装、ファッションというものは着る人のイメージを形作ります。その人の持つポリシーや考え方、生き様も表現します。あるいは社会的なステータスも現れてくるでしょう。
貧弱で不健康な体をいくらファッションで着飾っても・・・
せっかく健康な体を持っているのに、見るに堪えない服装も・・・
やはり健康的な体にはそれにふさわしい見る人も着る人もワクワクさせる服装を身に付けたいものです。
もう一つ、ファッションというものはライフスタイルやTPOに合わせ着替えることができます。
人の体自体は健康不健康の差はあれど基本的には入替はできません。
住宅とインテリアの関係も同じです。
住宅は一度建ててしまうとなかなか変更が効かないもの。
出来ないことはないですが、コストも手間もかかります。
家具インテリアはその点比較的買い替えが可能です。
そのご家庭のライフスタイルの変化に合わせて模様替えすることができます。
そう考えると家具インテリアの買い替えは一番コスパの良いリフォームであるともいえます。
最近は手軽に家具を借りることのできるサブスクも増えてきました。気軽に雰囲気を変えてインテリアを楽しめる、そんな時代がすでにやってきています。
さて、ここでインテリアのテイストについて簡単にご紹介します。
このところ、北欧デザインが人気です。ナチュラルでオーガニック。派手過ぎず飾り過ぎない、女性に人気のデザインです。家具だけでなく、壁紙やファブリック、食器や雑貨もたくさんありますよね。照明器具もいろいろと出そろっています。リーフでも人気のインテリアです。
以前よりは下火だけどいまだに根強い人気を誇るカントリー。家具はパイン材が良く使われます。カントリー家具の専門店もありますよね。家具をカントリーにしたら壁の仕上げや建具もそれに合わせたより素敵なインテリアが仕上がります。
カッコいい系デザインですね。男前系、塩系とも最近は呼ばれるようです。これをもっと崩したのにブルックリンスタイルというものあります。異素材を組み合わせている家具が人気です。モールテックスなど特殊なモルタルを塗った家具も人気があります。同じテイストの照明や建具と組み合わせたいですね。
天然木を多用するけどあまり木木らしくなく、すっきりしたデザイン。当初シンプルモダン指向のお客様がショールームで見たり触れたりしているうちに「木の良さがわかってきた」と採用される場合も多いです。
建具も天然木の突板張りでシンプルデザインのものも出てますのでそれらと組み合わせるとスッキリだけど温かみのあるインテリアが実現します。
また、このようなインテリアにはカーテンも合成繊維のものではなく、自然素材系、コットンやリネン系のカーテンが良く似合います。通常の合成繊維のものに比べるとお値段が多少張りますが、生地幅の少ないフラット仕上で見栄えがいいので案外仕立てたときのコストは通常カーテンとそんなに変わりません。
住宅の高性能はもう当たり前の時代です。室内のインテリアに目を向けて居心地の良い空間を手に入れましょう
住んでみてから入らない、似合わないを防ぐためには、設計段階から持っていく家具を想定して家づくりをすすめましょう。
ダイニングチェアとダイニングテーブルが特にお勧めです。いい家具は修理をして使い続けることができます。長年使い続けた家具は家族の思い出の詰まったかけがえのない宝物になることでしょう。
住宅本体は気軽に変えれませんが家具インテリアは買い替えが可能です。ライフスタイルの変化に合わせて、一番コスパの良いリフォームとして家具インテリアを楽しみましょう。
いろんなインテリアテイストを知るためにもインテリアショップを回りましょう。家づくりというと、不動産屋さんとかモデルハウスとか設備機器のショールームに行きがちですが、最初の段階でどんなインテリを造りたいかイメージを持つことが大切です。そのためにはいろんなインテリアショップを実際に見ることです。家づくりは色々決めることが多すぎて中には憂鬱さを感じられる方もいらっしゃいます。楽しいショップ巡りはそんな「家づくりブルー」を吹き飛ばしてくれますよ!
とても長いブログになりました(^^;
最後までお読みいただきありがとうございました!
実は今回のブログの内容はは動画でも配信しております!
こちらもぜひご覧ください!
さて、次回は「家づくりのきっかけ」です。
お楽しみに!
「初めての家づくり基礎講座」目次
1.住宅会社はどう選ぶ
1.そもそも、戸建て住宅の種類とは
2.数値で性能を判断する
3.デザインと間取り
4.メンテナンス(各種保証など)
5.インテリア
2.家づくりのきっかけ
3.いつ建てるのが一番良いのか
4.理想の家づくりとは
5.家づくりの予算
6.土地は探さない
7.あなたを応援してくれる人は
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