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リーフアーキテクチャの猪倉です。

先日、枚方市の「樟葉の家」に空調計画の実測とSwitchbotの設置にお伺いしてきました。

大切な実測作業

住宅の換気計画、空調計画は家を建てる前の設計段階で行います。

しかし、実際に設計通りの効果が上がっているかどうかを確かめるのには実測が大切。

「思ったより、暖かくない」

「思ったより、涼しくない」

「意外と結露が多い」

などといった現象に、感覚ではなく、数値でもって原因を突き止め、改善するのが目的です。

温度湿度の現象はすべて物理現象なので数値によって把握することができます。

目的は

「快適で暮らし心地の良い環境を実現するため」

原因がわかれば対策を考えることができるのです。

設計段階で行う空調計画

樟葉の家の空調計画はまず、冷暖房負荷を計算することから。

温熱設計のシミュレーションソフトQPEXに

建物情報、断熱材の種類、厚みなどを入力して求めていきます。

これにより、冬の暖房負荷が31.7kwh/㎡、夏の冷房負荷が25.9kwh/㎡と算出されました。

これをベースにお施主様に提案した空調計画書の一部がこちら

気象庁の過去データーから建設地の平均気温、最高気温を調べ

住宅の中の内部発熱や太陽による輻射熱、などから

必要とされるエアコンの能力を算定します。

その結果、1階と2階にエアコンを設置。

夏の通常時は2階のみエアコンを運転。

猛暑時は1階も併せて運転することで必要な能力が得られることがわかります。

最後に家電量販店でエアコンを購入するときの注意点も。

家電量販店の店員さんは、家の断熱性能によって必要とされるエアコンの能力が変わること

を理解されていない方が多いので

勧められるままに購入すると過大な能力のエアコンとなる場合が多いのです。

実測作業

それではいよいよ実測です。

このような道具を使います。

ケストレルという測定器。

温度湿度のほか、風速、気圧まで測れる優れもの。

空調計画、設計を行うものには必須のツールと言えます。

これを使用して

エアコン室内機、室外機の排気と給気の温湿度、風速

1種熱交換換気装置の吸気口、排気口の温湿度、風速

を測定していきます。

結果がこちら。

これらのデーターをもとに、計画通りに換気、空調が行われているかをチェックしていきます。

感覚ではなく、数値で判断できるので、想定外の事態が起こった時も

リカバリー策の提案が可能となります。

Switchbot　温湿度計の設置

もう一つ大切なのは各居室の温湿度。

これはスイッチボットの温湿度計をお部屋に配置して測定します。

今回は

1階玄関

1階リビング

2階廊下

2階寝室

に計4台を配置

私のスマートフォンにその記録が24時間転送できるよう

ハブミニという機器も接続して設定を行います。

ご主人様に、仕組みを説明しているところ。

このハブミニはテレビやエアコンのリモコン、モニターカメラ、カーテン開け閉め装置、スマートスピーカなど

に接続できるので、大変低コストでスマートハウス化が可能。

温湿度データーをいただく代わりに、温湿度計とハブミニはお客様に差し上げていますので

他のデバイスをご自由に追加していただくことができます。

私のスマートフォンにハブミニと温湿度計4台が登録された画面。

これで、24時間、各お部屋の温湿度の変化が記録できます。

このデーターと気象庁から手に入るこの地域の外気温、湿度のデーターを照らし合わせ

計画通りに断熱性能の優れたお家となっているかを検証することができます。

リビングに置かれた温湿度計。すっきりしたデザインで目立ちません。

2階のオープンクローゼット内に置かれたハブミニ。

各温湿度計から大体等間隔になるように配置します。

外観撮影も

私が、Switchbotの設置をしている間に同行したスタッフが外観写真の撮影もしてくれました。

外構御工事が完成したので、建物もぐっと引き立ちます。

南側はウッドフェンスで囲まれたプライベートな空間。

北側は道路に面しているのですがわずか60㎝ほどの小さいスペースに組み石と樹木で

通行される方から見えるパブリックな空間になっています。

住宅という建築物は個人の所有であると同時に、街並みを構成する大切な要素。

お家ができたことで、ご近所の方から

「この家ができたおかげで町の雰囲気が良くなった」

と言われるような、まちに対して開いたエクステリアというのはとても大切です。

大きくなくても、お金をかけなくてもちょっとした工夫で実現できるもの。

空調計画といった性能機能の面だけを追い求めるのではなく

このような、街並みをよくすることに少しでもお役に立てる

そんな家づくりを続けていきたいと考えています。

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1級建築士・宅建士・インテリアコーディネーター

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